特集【プロポリス】 世界的需要拡大、原料確保に懸念

 ここ1年のプロポリスの引き合い状況について、本紙が行った聞き取り調査によると、「社会情勢における特需はなくなった」「通販が伸びた(店頭販売の落ち込みをカバー)」「一昨年比は12〜13%増、昨年比は1〜2 %増だった」などの声が。全体では2年前の販売増の反動を受けているものの、ここ1年は横ばいか微増で推移している企業が多かった。こうしたなか、プロポリス業界では原料不足が深刻化しつつある。コロナ禍において抗ウイルスや抗菌、免疫機能が評価され、世界的に需要が高まったことが背景にある。折しも、ブラジル南東部における異常気象、大規模洪水や大規模森林火災、ロシアのウクライナ侵攻による為替(円安)の影響で、原料価格も上昇した。物流コスト上昇や品質維持のコスト増も追い打ちをかけている。

 

 取材先からは、「今年1月から2月まで、生産の目途が立たなかった」「定期的な原料仕入れが困難に」「今年の収穫分は潤沢とはいえない」「蜂の巣が流された。ここ数ヵ月仕入れも滞った」「2021年産グリーンプロポリスの原料価格は昨年比4割増し」「ブラジルに自生する基源植物バッカリスの生体数に変化がなく、高品質プロポリスの確保が年々難しくなっている」「資材の簡略化や販促費用の見直しを考えはじめた」といった声があった。一方、「入手困難までの状況ではなかった」「値上げ幅はわずか(大幅な値上げはなかった)」との声もあり、原料確保については今後も注視していく必要がありそうだ。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1739号(2022.5.4)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら