特集【静岡県】 “日本”の健康から“世界”の健康支える県へ

 健康食品のOEMメーカーが数多く立ち並ぶ静岡県。その生産シェアは全国ナンバーワンで、日本国民の健康を支える心臓部として君臨する。県内の受託企業各社を回ると、コロナの影響を受けつつも工場は順調に稼働している様子がみてとれた。インバウンドマーケットの消失や店販流通の売上減少、消費の冷え込みなど、国内需要の低下による影響も少なくないが、コロナ禍3年目に入り、国内向けの仕事も戻りつつあるようだ。

 

 受託企業を対象に昨年末本紙が実施したアンケート調査では、2021年の売上状況について2020年対比で10ポイント増の48%が増収。2ケタ増収も24%で9ポイント増えるなど回復基調にあることがわかった。減収企業も36%で8ポイント改善している状況だ。今年の見通しについては66%が増収を見込んでおり、「新規案件が増え、具体化する」「海外取引が復調している」「購買抑制からの反動となるリベンジ消費に期待を寄せている」とするなど、やはり見通しは良さそうだ。

 

 国内需要のへこみに代わって売上を支えているのが海外輸出案件だ。健康食品メーカーによる越境EC利用は年々拡大しており、特に中国向け商品については、輸入制限地区外となる静岡企業への製造依頼も増加している。また、ベトナムやマレーシア、インドネシアなど東南アジアへの輸出も活況の様子。国内市場がやや食傷気味のなかにあって、海外案件は今後も拡大していくとみられる。

 

 海外展開については、AFC-HDアムスライフサイエンスがイスラム圏への展開を視野に、工場のHALAL化に着手。千葉工場について、ハラル製品を製造するハラル対応工場にする予定といい、工場改修や認証取得に向けた準備を進め、2024年の稼働を目指すという。また、アリメント工業では海外事業室を設置し、海外展開の積極化を図るなど、目下海外戦略は今後の成長を左右するキーになりそうだ。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1739号(2022.5.4)で
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