【トップランナーに聞く】 サラヤ㈱取締役コンシューマー事業本部本部長 山田 哲 氏

 カロリーゼロの自然派甘味料「ラカント」シリーズがスーパーやドラッグ、通販で好調だ。かつては、糖尿病者向けの甘味料だった製品は、若者の支持を獲得。健康意識の高い層の砂糖代替甘味料として定着した。市場の大きなアメリカはもちろん、海外にも販路の拡大が進んでいる。アメリカをはじめ自社工場を建設しサプライチェーンを強化するなどグローバルで対応強化に動き出す。今年で創業70周年を迎える同社コンシューマー事業本部長の山田哲氏に話を聞いた。

 

――2021年のラカント関連の売上げ状況

 

 2021年は昨年対比2ケタ増の売上となり22年も好調を維持できると予想している。当社の主力製品である『ラカントS顆粒』が「日経POSセレクション」で2020~21年の2年連続でNo.1を獲得した。全国のスーパーで販売されている約308万点の商品から売れ筋をランキングする賞で、2年連続の獲得は珍しく、『ラカント』のユーザー層が広がり定着したことが伺える。

 

――好調の要因は

 

 2020年4月の緊急事態宣言下、巣ごもり需要が高まる中、YouTubeなどSNSによって若者層を獲得できたのが要因。はじめはカロリー、糖質ゼロのダイエット向け甘味料として注目された。その後、抗糖化、血糖値対策の甘味料としても認知されたようだ。特に20~30代の女性がメタボ対策や美容目的で摂取し、従来の中高年層に加えて裾野が広がった。女性から健康と美しさを維持できる甘味料として支持されたことは、一過性のブームではないと捉えている。

 

――海外の販売状況及び生産体制の増強

 

 米国では、ここ5年ほどで『ラカント』製品が伸びている。ステビアに変わる新しい甘味料「モンクフルーツ」の名で西海岸から始まり米国全土に広まってきている。この需要に対応するためにユタ州に1万1,842㎡の工場を建設し、今年8月から稼働する予定だ。定番の顆粒タイプの他、『ラカント』を甘味成分にした派生品を世界各国へ供給していく。また、中国の桂林工場では、3月に拡張工事を終え、『ラカント』の原料である「ラカンカ配糖体」や「ラカント」シリーズの製造キャパを約2倍まで拡張し、日本国内はもちろん世界各国の販売に対応していく。つづく

 

 

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