特集【コエンザイムQ10】 機能性表示食品は50品到達

 食薬区分改正から食品利用が可能になり20年が過ぎたCoQ10。体感、認知度の高さに加え、豊富なエビデンスデータの蓄積を背景に安定市場を形成する。還元型、酸化型原料を用いたサプリメントや飲料、ゼリー、グミなど、様々な形態の商品が流通。近年は、機能性表示食品が続々受理されている。これまでの「疲労感の軽減」に加え、還元型CoQ10で「お口の潤いに役立つ」機能性表示食品が登場。オーラルケア、オーラルフレイル対策として注目度が増している。新たに「睡眠の質の向上」「ストレスの軽減に役立つ」といったヘルスクレームも表示できるようになり、累計受理数は50品に到達した。また、「強い抗酸化作用」「エネルギー産生促進」という2大作用を有するCoQ10は、様々な健康機能に関する研究成果が報告されており、フェムテックや認知機能サポート向けへの利用拡大も期待される。

 

 CoQ10は、強い抗酸化作用を有し、生命維持に必要なエネルギー産生に関わる補酵素として重要な役割を果たしている。機能性研究では、抗疲労、運動機能改善、心機能改善、ドライマウス改善、美肌効果、肝機能改善、血糖コントロール改善、睡眠の質改善、認知機能改善など、様々な研究成果が報告されている。コエンザイムQ協会では毎年研究会を実施。昨年11月の第18回研究会では、10題の研究発表があり、活発な議論が交わされた。特別講演では、鶴見大学歯学部病理学講座の斎藤一郎氏が、「口腔機能の改善を目指したコエンザイムQ10の効果の検討」と題して臨床試験の研究成果などを報告。同氏は、口腔機能の維持やオーラルフレイルの予防に有用であると言及し、「CoQ10は患者の利用継続率が高く、体感する健食素材と言える」と述べた。同協会理事長の山本順寛氏は、本紙取材に対して、「CoQ10は、多彩な健康機能があり、様々な可能性を秘めている。また、CoQ10は食薬区分の改正により20年以上が経つが、健康被害などなく安全性の高い機能性食品といえる」と話す。

 

 市場では、「酸化型」と「還元型」の2種類のCoQ10原料が流通。「酸化型」は、体内で還元型に変換され、各臓器に運ばれ利用される。脂溶性のCoQ10原料を乳化技術や包接技術により水溶化させることで、体内での吸収性を高めた原料などがある。一方、「還元型」は、体内での変換の必要性がなく、そのまま体内で力を発揮するといった特長を持つ。つづく

 

 

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