特集【免疫サポート】 約8割が関心、コロナ禍で沸騰する免疫ニーズ

 長期化するコロナ禍。サプリ業界にとって“免疫”はホットなキーワードだ。本紙が昨年12月、健食受託製造企業に実施したアンケート調査(有効回答数106社)では、受注が伸びたカテゴリーとして「免疫」が40票を獲得。「ダイエット」(25票)、「快眠・リラックス」(21票)などを抑えて2位にランクインした。免疫サプリには、乳酸菌をはじめ、ビタミン類、プロポリス、霊芝、冬虫夏草、フミン酸、キャッツクロー、濃縮乳清タンパクなど、様々な素材が利用されている。本紙の取材では、カムカム、フコイダン、アラビノキシラン、リポポリサッカライド(LPS)、有機ゲルマニウムなどの原料メーカーが供給量を伸ばしており、「コロナ前と比べ、医家向けの採用が急増した」「腸管免疫に関する問い合わせが増えた」「海外での需要が伸びている」などの声が聞かれた。

 

 コロナ初期は、重症化リスクを抱える高齢者の免疫ニーズが急伸したが、最近は若年層の間でも免疫への関心が高まっている。キリンホールディングスは昨年11月、20歳以上の男女3,747人に対して、免疫に関する意識調査を実施した。年代を問わず約8割の人がコロナ禍で免疫に対する意識・関心が「強くなった」「やや強くなった」と回答。特に20代は、「強くなった」が36.7%となり、他の世代よりも多い割合で見られた。また、免疫維持に有効なイメージのある食品には、ヨーグルト(84.7%)、乳酸菌飲料(77.3%)、納豆(67.2%)などの名前があがり、関心の高い健康テーマは「免疫ケア」「ストレス軽減」「睡眠の質」「疲労回復」が上位となった。各項目ともに男性より女性の関心が高く、特に「免疫ケア」については、男性に比べて、20%以上スコアが高かった。

 

 免疫賦活は、血糖値や体重のように目に見えて変化が分かるものではないが、細胞内の炎症性サイトカインやインターフェロン、血液や粘膜中の免疫グロブリン(IgG、IgA等)の数量を測定し、NK細胞、ヘルパーT細胞、樹状細胞の活性を免疫指標として示すケースが一般的になっている。また、腸内細菌叢に対する一般理解の広まりから、腸内の酪酸産生菌や短鎖脂肪酸の産生量にスポットを当てる素材メーカーも少なくない。つづく

 

 

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