【トピックス】 コロナ禍でも盛況、製品開発進む 「幹細胞コスメ」

 国内で一大トレンドとなった“幹細胞コスメ”だが、幹細胞が着目されるようになった背景として、再生医療における幹細胞研究の進捗がある。再生医療では、2014年9月に世界で初めてiPS細胞を用いた移植手術が行われ、従来有効な治療法のなかった疾患の治療が可能に。期待が高まる反面、新しい医療としての安全性を確保しつつ、迅速に提供する必要性から、同年11月25日に「再生医療等安全性確保法」と「医薬品医療機器等法」が施行された。これにより、国内の実用化促進の法整備が整い、本格的に幹細胞研究が進むきっかけとなった。

 

 幹細胞には、失われた細胞を再生して補い、組織の機能を回復させる働きがあり、増殖の際に成長因子と生理活性物質を分泌する。再生医療においては、幹細胞の中でも、“再生医療のための細胞源”として間葉系幹細胞(MSC:Mesenchymal Stem Cell)が注目されている。間葉系幹細胞は、細胞分裂して増殖する自己複製能だけでなく、筋肉や骨、神経などに分化する多分化能を持つ。また、遺伝子操作を要するiPS細胞や、初期の受精卵からしか得られないES細胞と比べ、脂肪や骨髄などから採取でき、腫瘍形成の危険性の少ないことなどからも、さまざまな臨床研究が進んでいる。

 

 美容分野においては、高度な管理のもとでしか製造できない培養上清液を配合した化粧品として注目され、美容クリニックやエステサロンなどの分野で採用が進んでいる。 幹細胞の培養上清液は、米国や韓国では、線維芽細胞の増殖、メラニン抑制、美白、抗シワ、発毛育毛といったさまざまな作用を持つアンチエイジング原料として認知される。つづく

 

 

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