特集【化粧品開発最前線】 コロナ禍で創出する新たなニーズ
経産省統計によると、国内の化粧品市場(2021年1〜12月)は、1兆3,471億9,442万円(前年比9%減)に。2019年まではインバウンド需要を背景に大きく成長してきたが、新型コロナの影響もあり、百貨店やエステサロンなどの対面販売ルートを中心に苦戦が続いている。一方で、輸入化粧品は好調に推移。日本輸入化粧品協会が2月に発表した2021年1〜12月の化粧品輸入実績は2,753億円で、前年比11%増だった。輸入国では韓国が前年比28%増と伸長しており、中でも皮膚用化粧品類やメーキャップ類が大きくシェアを伸ばしている。
こうした中、化粧品の原料サプライヤーや製品OEM、受託メーカー各社を見ると、中長期的な市場回復を見据え、肌3分野(スキンケア、ベースメイク、サンケア)を中心とした製品の研究開発を推進している。コロナ禍では、自宅で時間を掛けてスキンケアに取り組むニーズの高まりから、洗顔類やボディソープ、入浴剤などを通販で購入する層が拡大。マスクによる肌荒れはもとより、マスク内の高温度下でも、メイク直後の仕上がりが持続するファンデーション技術の開発などが進む。また、在宅でじっくりスキンケアに取り組む女性層に加え、リモート会議等で自分の顔を見る機会が増えたことでスキンケアや育毛に取り組むビジネスマンの増加を受け、メンズコスメ市場も伸長。
流通・卸業者によると、男性のスキンケアアイテムの購入条件の上位は、「コスパ」「使いやすさ」「男女兼用」など。こうした傾向を踏まえ、通販では、男性向けの頭皮マッサージブラシなど美容雑貨とヘアケアコスメのセット販売で、男女の新規顧客獲得を狙うケースも。通年・多様化する「シミ」「シワ」「育毛」関係とともに、メンズスキンケアも新たなキーカテゴリーに浮上。「市場の黎明期」として今後の拡大が期待できる。つづく
詳しくは健康産業新聞1737号(2022.4.6)で
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