連載【初めての越境EC⑪】 〈香港編〉 “日本好き”多い市場に個性派商品提案

 越境ECに取り組む日本企業の販売国・地域トップは中国、アメリカ、台湾に続き香港が第4位(JETRO、2021年)。香港の人口は748万人と東京都の半分弱だが、日本からの輸出先として重要地域の1つとなっている。香港の1人当たりGDPは4万6,657ドルで世界15位。購買力が強く、高価格帯の商品も販売しやすい。都心の居住者が多く、従来実店舗での購入が好まれる傾向があったが、コロナ禍での外出制限を機にECでの購入が普及。今後もEC市場の成長が期待される。

 

 香港のインターネット普及率は93%、回線速度は世界3位、オンライン決済使用率は41.6%と、世界でも最高水準のネット環境に恵まれる(atlasVPN2021,Footsuit2022)。ほとんどの住宅地から都心部まで30分以内で移動できることから、実店舗でのショッピングが好まれる傾向があるが、他の国・地域と同様に新型コロナ禍による外出制限がECの利便性を際立たせ利用が急拡大した。香港の1人当たりGDPは世界でもトップクラスのため、ECでの新たなマーケットとして期待される。

 

 香港は“日本好き”の人が多く、訪日客はコロナ前の2019年は約229万人(日本政府観光局)で、1年間で約3人に1人が訪日している計算になる。コロナ禍により訪日できない中、日本製品の人気と需要は変わらないため、多くの人が越境ECを利用する。香港のECプラットフォームは香港発祥のHKTVmallのほか、天猫国際(Tmall.hk)、フィンガーショッピング(fi ngershopping.com)などがメジャー。化粧品、食品に対しては規制が複雑で個別判断となることも多いため「購入代行」事業者を介してECモールに出品する例も増えている。購入代行等輸出サポートを行う㈱ジグザグは、香港への輸出は輸出できない製品を除外する「除外設定」するサービスも提供している。ただし「規制面にどうしても目がいきやすいが、まずは販売できる商品から実施することが大切」とも指摘する。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1737号(2022.4.6)で
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