連載【ECビジネス入門塾⑨】 ライブコマースで、作り手の背景をよりリアルに

 ECの販売形態の1つとして、ライブコマースに注目が集まっている。ライブ配信の動画を活用し、ユーザーの購買を促す販売手法で、中国では先行して利用が広がっていた。日本でもコロナ禍で、急激に導入企業が増えている。健食メーカーがライブコマースを導入するメリット、導入時の注意点とは?㈱Tailor App代表の松村夏海氏に話を聞いた。

 

 ライブコマースは、ECの画面だけでは伝えきれない商品を作った想い、生産背景などを消費者に伝えることができる販売手法だ。最近は、個人やインフルエンサーがOEMメーカーを利用して、自分で買い付けしてブランドを作るケースも増えている。特に、健康食品や化粧品は、成分は書いてあっても、商品ごとの違いは分かり辛い。薬機法もあり、文字でどれだけ丁寧に説明しても、多くの消費者は理解できないことが多いと思う。そうした時に、ライブコマースは、非常に有効な手段になり得る。差別化という部分で言うと、商品の作り手の背景をリアルに示すことができる点は、他にはない大きな利点だ。

 

 ECサイトのコンバージョン率(成果率)は、大体1~2%くらいで推移するが、ライブコマースだと一気に3~5%まで高まることが分かっている。人が画像から得られる情報は、文字の7倍と言われるが、それが動画だと、一気に何万倍まで跳ね上がる。EC企業は今、D2C業態が圧倒的に多い。広告からランディングページに飛ばして、商品情報を伝え、サブスクリプションで購入させるやり方が主流だ。ただ、接客する場面がないので、どうしても少し怪しい印象を与えてしまう欠点がある。特に小売りや接客文化が強い日本では、言葉を通じて情報を伝えることが極めて重要になる。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1737号(2022.4.6)で
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