連載【自然食品店・オーガニック専門店の戦略】 ㈱ユメテラス 常務取締役/熊谷貴幸氏

 ㈱ユメテラス(東京都足立区)は、オーガニック食品や自然派化粧品、サプリメントなどを販売する専門店「サプリエ」を展開している。地域における健康推進の拠点を目指した店舗運営を行っており、店頭では管理食養士の資格を持つスタッフが健康相談にも応じている。店舗運営のこだわりなど、常務取締役の熊谷貴幸氏に話を聞いた。

 

―― 店舗運営のこだわりは?

 

 富山県の契約農家が作る有機栽培米・特別栽培米を店頭で精米販売しています。こうした売り方ができる自然食品店は少なく、顧客から好評を得ています。安心安全な商品を他店より安価で提供すべく、特売日は10%オフも実施します。生鮮食品は、千葉県の契約農家が栽培した新鮮な野菜を販売しています。農薬使用回数、殺虫・殺菌といった項目を店頭ラベルに表記するなど、商品選びの具体的な情報提供も積極的に行っています。農薬について、当店で販売する野菜は使用ゼロに近いものが多いですが、野菜によっては1回だけ使用するものもあります。販売する野菜全てを有機JAS取得に限定してしまうと、売価が割高になってしまうからです。

 

 オーガニック・自然食品の販売は買いやすい値ごろ感も重要と捉えており、安心安全を担保しつつ、一般慣行栽培で作る野菜に対抗できる価格での提供を行っています。店頭では、“ひとり一人の顧客を大事にする”を念頭に接客を行っています。専門店を利用する人は健康になりたい理由での来店が多く、当店では管理食養士の資格を持つスタッフが食生活などの健康相談にも応じます。他店ではベジタリアンやヴィーガンに詳しい人もいますが、当店では栄養バランスなどの専門知識も併せ持つスタッフが対応を行います。

 

―― コロナ禍における来店客の動向は?

 

 健康志向の高まりを追い風に、来店数が増加しました。当初は感染拡大による客数減少を懸念しましたが、20~30代の若い人が新たに来店するなど、客層に変化も生じています。近隣に自然食品レストランがオープンしたこと、SNSによる情報発信、低糖質ブームなども背景にあると捉えています。ネット販売では、全般的に「腸活」「子育ての悩み」に関連する商品の売れ行きが良く、巣ごもり需要も目立ちました。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1736号(2022.3.16)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら