特集【プラントベース】 ブランディング戦略が本格化

 プラントベース市場が急拡大している――。米国のPlant Based Food Associationによると、「2020年度の米国プラントベース市場は前年度比27.1%の市場伸長率を記録した。2024年の市場規模は8~9兆円に到達する見込み。いま最も急成長がみられる分野のひとつ」としている。この急成長の背景には、世界的な人口増加による食肉の需給バランス懸念、環境配慮、健康志向、動物福祉・権利、多様性の尊重などが挙げられており、植物由来のプラントベース食品への注目が高まっている。

 

 プラントベースの代表格は代替肉や植物性ミルクだ。代替肉のメイン原料は大豆やエンドウ豆が流通している。粒形状の素材は近年の技術革新により、保水性や肉粒感、繊維感、クリスピー感を表現することが可能に。本物に近い食感(硬さ、歯切れ、ふんわり感)などを演出できるようになった。ハンバーグや唐揚げ、ナゲット、シリアルバーなどの商品開発が活況を呈している。

 

 植物性ミルクのトレンドはオーツミルク。食品大手ダノンの試算によると、「オーツミルクの売上(国内)は、5年後に100億円を超え、プラントベース飲料の10%以上のシェアを占める」と予測する。市場では、アレルゲンフリーや乳糖フリー、自然な甘さなどを打ち出した商品開発が活発だ。昨今では飲用用途のみならず、「料理素材」として提案する動きも。スイーツなどのレシピ開発も市場拡大を後押ししている。

 

 約6割の人がプラントベース食品は「健康に良さそう」と感じ、安心安全な原材料を使っていると思う人は約5割とする調査結果をミヨシ油脂㈱が発表した。全国20~70代の男女2,155人を対象とした「プラントべース食品に関する消費者調査」でわかった。プラントベース食品のイメージを質問したところ、「健康に良さそう」(67.3%)、「安心安全な原材料を使っている」(56.8%)、「地球環境にやさしそう」(53.2%)が上位に。健康面、安全性、環境配慮に関する項目でポジティブな評価が目立った。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1735号(2022.3.2)で
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