特集【高麗人参】 「免疫対策」「フェムケア」テーマに、市場規模300億円にリーチ

 高麗人参市場はドリンク、錠剤、エキス、カプセル、茶製品が牽引している。本紙の推計では、「滋養強壮・疲労回復」訴求の代表素材として、2010年以降の市場規模は200~250億円を堅持。多種多様な健康食品が流通する市場環境の中、通販企業が定番サプリとしてラインアップするほか、ドラッグストアがPB商品化するなど、「高い認知度」「流通実績」を武器に、底固い市場を形成してきた。

 

 市場拡大の兆しが顕著に見えてきたのは2020年以降。背景には、「免疫対策」と「フェムケア」がある。今回の集計では、百貨店での販売が減少した一方で、大手ECモールやTVショッピングを中心とした通販ルートにおいて、既存ブランドが好調に推移。副素材として採用されているサプリメントも含めると、300億円の大台到達が見えてきた。『即攻元気ゼリー高麗人参+栄養ドリンク味』(明治)、『高麗人参王 GINSENG POWER』(井藤漢方製薬)、『エクオール&高麗人参』(オリヒロ)など、新商品開発も依然活発だ。 

 

 男性向け商品としてのイメージが強い高麗人参ではあるが、『高麗人参ミルクティー』(オルビス)、『高麗美人』(ていねい通販)、『正官庄シリーズ』(ニップン)、など、女性層に照準をあてた商品が年々増加傾向にある。高麗人参の最もポピュラーな機能である、血流改善作用を介した美容・冷え対策機能が評価されているようだ。プラセンタ、セラミド、コラーゲン、エクオールなどの副材として採用されるケースが目立つ。水面下では、大手食品メーカーが呈味性を高めた高麗人参原料に着目、ペットボトルタイプの美容・温活飲料の開発を進めているという情報も。フェムケア市場が盛り上がりを見せる中、高麗人参の女性層開拓の進展に期待がかかる。

 

 免疫対策では、コロナ禍において、通販ルートで高麗人参が売れ筋となった。DgSルートでは、「売上減が顕著だったサプリメントはインバウンド商品。高麗人参のメインターゲットは国内消費者であり、コロナの影響はほぼない。むしろ、免疫対策素材として再評価された」「外出自粛・テレワークが影響し、ドリンク剤は伸び悩んだが、ホームサイズのドリンク・サプリは順調に推移した」とのバイヤーの声があった。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1735号(2022.3.2)で
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