特集【オリーブ】 機能性表示で、健食にも注目度上昇

 独特な風味や香りに加え、近年は健康機能も注目され、オリーブオイルの利用が広がっている。日清オイリオグループが食用油使用者約2,000人を対象に実施した調査によると、オリーブオイルの購入時に重視する点は、「価格の安さ」「香りが良い」「味が良い」に加え、「健康に良い」を挙げる回答が上位を占めた。同社の定点調査では、2020年度の家庭用食用油は1,668億円で、オリーブオイルは、トップのキャノーラオイル(438億円・前年比11%増)とほぼ同等の431億円(同0.7%増)。“ふりかける”“そのまま摂取する”といった生使いによる活用シーンの広がりのほか、内食機会が増えたことや、消費者の健康意識の高まりが市場の底上げに繋がった。2021年度も、「上期は伸び悩んだが、下期は前年比を上回っており、堅調に推移する」という。

 

 オリーブオイルの利用が食生活に浸透する一方、(一社)日本オリーブオイルソムリエ協会の多田理事長は、「まだ伸びる余地は十分にある」とみる。同協会では、新たに「オリーブオイル風味インデックス™」を提唱。「風味や香りなどを可視化した。消費者が商品を選ぶ判断材料の1つになるように普及させていきたい」と話す。

 

 市場では食用オイルのほか、葉や果肉含まれる有用成分「ヒドロキシチロソール」「オレウロペイン」「ベルバスコシド」「オレアノール酸」「マスリン酸」などに着目した機能性素材が流通する。ここ2年は、機能性表示食品の開発が活発化。20品以上が受理され、累計受理数は30品に到達した。表示内容は、「抗酸化作用を持ち、血中のLDL-コレステロール(悪玉コレステロール)が酸化され酸化LDL-コレステロールになることを抑制させることが報告されています」(機能性関与成分:オリーブ由来ヒドロキシチロソール)、「筋肉に軽い負荷がかかる日常的な運動と併用することで、加齢によって衰える筋肉を維持する」(同成分:マスリン酸)など。つづく

 

 

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