特集【中国地方(山陽・山陰)】 地域資源とアカデミアが融合、海外進出事例も

 中国地方は、日本列島の南西部に位置する地域ブロック。岡山県、広島県、山口県、鳥取県、島根県からなり、八幡物産、山田養蜂場、万田発酵、あじかんなど全国的に販売網を広げる販売メーカーも多い。また、関西、四国、九州など西日本各地方への利便性の良いこと、土地が広く工場の面積を確保しやすいこと、水や天然資源に恵まれていること等を理由に、有力な原料サプライヤー、受託製造企業が多く所在している。健康食品や健康茶の受託製造では、備前化成、ファイナール、セイシン企業、エンチーム、飲料受託では、コトブキ、ミリアグループ、宝積飲料などが工場を構えている。

 

 中国地方の中央部は、広大な中国山脈が横断しており、日本海側を山陰、瀬戸内海側を山陽と呼ぶ。それぞれ自然環境や気候、収穫される農作物、魚介類が大きく異なり、瀬戸内海に面する山陽地方は、年間を通じて温暖な気候で、ミカン、桃、ピオーネなど果実の栽培が盛んな地域だ。またマダイ、ヒラメ、カキなど海産物の漁獲も盛んで、岡山市、倉敷市、広島市など、有力都市も多い。日本海側気候の山陰地方は、冬は北西から強い季節風が吹く、日本有数の豪雪地帯。漁業が盛んで、ズワイガニ、アジ、ブリなどの水揚げ量は日本トップクラス。また広大な海岸砂丘があることからラッキョウ、ナガイモ等の砂丘作物やキノコ類の生産も行われている。

 

 こうした地場資源を活用し、健康食品や化粧品向けの機能性素材を開発するメーカーも年々増加。SDGsの観点からも注目を集めている。広島大や鳥取大では、地元企業と共同研究を進め、乳酸菌、タデアイ、酵素など様々な素材を活用したサプリメントの製品化が進展。健食原料としては、植物発酵エキス、グルコサミン、キトサン、エラスチン、フコイダン、エゴマ、大麦若葉、桑葉、カキ肉エキス̶̶などが製造されている。つづく

 

 

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