ファンクショナルフード学会、「食品中の有効成分特定」「作用メカニズム」等で講演

 ファンクショナルフード学会は1月8日、順天堂大学御茶の水センタービルで「第18回ファンクショナルフード学会学術集会」を開催した。食品中の有効成分特定と作用メカニズムの解明に関する研究結果を中心とした演題発表が行われた。前半の基調講演では、信州大学学術研究院農学系教授の片山茂氏が、「老化促進モデルマウスSAMを用いた老化予防に資する食品成分の探索」と題して講演。SAMマウスを用いた研究事例として、蕎麦の認知機能低下抑制作用とケールの皮膚老化予防作用に関する研究成果を紹介した。

 

 認知機能低下抑制作用は、全層粉を用いたソバ粉の効果が最も高く、その機能性メカニズムについて、神経伝達物質の合成促進などの作用をもつポリペプチドBDNFの発現、酪酸菌を介したHDAC阻害作用、蕎麦由来の難消化性デンプンの関与が示唆される、とした。また、皮膚老化予防作用についてはグルコラファニン高含有ケールをSAMマウスに摂取させ、外観の老化進行を遅らせることを確認。グルコラファニンが体内で変化したスルフォラファンによる抗酸化酵素の発現促進作用、皮膚における酸化ストレス応答因子Nfr2の活性化への関与、さらに同ケール成分中のエクソソーム様ナノ粒子が線維芽細胞におけるコラーゲン産生作用に関与している可能性について詳説した。つづく

 

 

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