連載【ECビジネス入門塾⑦】 スタートアップ企業が注意すべきポイント

 今春よりスタートアップ向けのEC事業のコンサル、広告運用などのサポートを進めている㈱インターファクトリー(東京都千代田区)。多くのEC事業者を支援してきた同社の渡邉洋祐マネージャーは、現実的な売上目標と商品販売に最適なシステムでECサイトの構築・運用を行うことが重要だと語る。スタートアップ企業が注意しなければならないポイントとは。

 

 立ち上げたばかりのECサイトをすぐに黒字化させることは難しい。健康食品や化粧品は利益率が高いため、すぐに黒字化できると考える人もいるが、そうしたケースは極めてまれだ。スタートアップ企業が成功するためには、売上の黒字化に至るまでに数年の期間を設け、まずは事業戦略として売上目標をしっかりと計画する必要がある。ただ、多くのスタートアップ企業は自社商品の魅力を顧客に伝えられれば、当然売れるだろうという考えから、「1年目で売上1億円」というような漠然とした目標を立てて、失敗していたりする。

 

 私がスタートアップ企業によくお伝えするのは、既存の会員組織やSNSのフォロワー数も少ない中で、1億円の売上目標を達成するためには、商品の販売価格、客単価から逆算すると、集客に1,000〜2,000万円ほどかかる可能性が考えられるということ。それ以外にも出荷体制など受・発注に対応できるだけの体制整備が必要となる。その結果、予算が合わず、現実的には初年度の売上目標が500万円程に落ち着くケースが多い。自社の経営体力を見極め、現実的なPL(損益計算書)を組み、経営戦略、事業戦略を練っていくことが重要となる。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1729号(2021.12.1)で
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