【学術トピックス】 水素ガス吸入、COVID-19後遺症に有効

 ロシア呼吸器学の権威でロシア国立医科大学のアレクサンダー・チュチャーリン教授らの研究グループは10月15日、COVID−19後遺症患者への水素ガス吸入の有用性を臨床試験で確認し、学術誌『Cardiovascular Therapy and Prevention』に論文発表した。世界中でCOVID−19による後遺症の研究が進められる中、ロシアでは昨秋から、チュチャーリン教授らの研究グループが、日本で医療機器認証を取得しているSuisonia㈱の水素ガス吸入器『suisonia』を用いた治療作用を検証する臨床試験を実施してきた。

 

 今回の臨床試験にはCOVID−19の後遺症と診断されたモスクワのプレトネフ州立臨床病院の医療関係者60人が参加。30人ずつを『suisonia』使用群と対照群に分け、試験開始時点と10日後に後遺症の状態を調べる検査や判定を行った。血液や呼気の検査、肺のCT、運動能力テストなど69項目におよぶ検査の結果、『suisonia』使用群は、①6分間に歩行できる距離が1.5倍に伸びた。②酸素が全身に滞りなく運ばれるようになった。③血流が滞っていた血管の状態が改善された――などの効果が確認された。ほかにも「階段で2階に上がれなかった患者が4階まで上がれるようになった」「疲労感がなくなった」など生活の改善に直結する報告も多数見られた。これら研究結果を受け、論文では水素ガス吸入について「COVID−19後遺症の治療に有効かつ安全」と結論付けている。

 

 

詳しくは健康産業新聞1728号(2021.11.17)で
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