消費者庁 VD含有の加工食品、未成年の46%が摂取

 消費者庁は8月25日、ビタミンD含有加工食品の未成年者の摂取状況などを調べた「栄養機能食品等の摂取状況等に関する調査事業」報告書を公表した。厚生労働省は「日本人の食事摂取基準2020年版」で、18歳以上でそれまで5.5㎍だったビタミンDの目安量を8.5㎍に引き上げている。一方、同基準の変更を踏まえて消費者庁が昨年4月に公表した「栄養素等表示基準値の改定に関する調査事業」報告書では、栄養素等表示基準値を引き上げることで、「18歳未満の過剰摂取のリスクが考えられる」ことが指摘されていた。

 

 こうした状況を踏まえて今回の調査では、①ビタミンDを含む加工食品に関する製品情報調査、②未成年者におけるビタミンDを含む加工食品の摂取状況調査、③事業者におけるビタミンDを含む加工食品の利用状況等に関する調査――を実施。委託を受けた日本健康・栄養食品協会が調査を行った。

 

 ①では、世界各国の製品情報を収集したミンテルジャパンの「世界新商品情報データベース」で、ビタミンDを含む加工食品の製品情報を調査。2015年4月~2020年7月の期間に、栄養成分表示にビタミンDが表示された475品を対象にした。食品群別では、「嗜好飲料類(ゼリー飲料や粉末飲料など)」が33.1%で最も多く、以下、「穀類(シリアルなど)」が16.8%「サプリメント類」が13.9%と続く。サプリ、穀類、菓子類など様々な剤型が見られた「栄養機能食品」は81品。表示値は、いずれもビタミンDの規格基準である下限値1.65㎍から上限値5.0㎍の範囲内だった。ビタミンD以外の栄養成分の栄養機能食品では、上限値5.0㎍を超える製品が複数あった。

 

 ②の未成年者の摂取状況調査では、3~17歳の保護者または15~17歳の計8,978人から得られた回答をもとに分析。ビタミンDを含む加工食品を1品以上摂取している割合は4,100人(45.7%)だった。つづく

 

 

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