【話題追跡】 中国「保健食品」制度の拡充進む

 中国には「青帽子」のロゴマークを付け健康食品やサプリメントの表示を管理する「保健食品」の制度がある。「保健食品」の制度はさらに「登録制」と「記録制(備案制)」に分かれている。「登録制」は、日本の特定保健用食品の制度に近い。エビデンスを示す書類を揃えて登録申請し、国家市場監督管理総局(SAMR)が認可する。中国国内での臨床試験が求められ、認可されるまでに3~5年。コストが大きくなることが特徴だ。それに対して「記録制」は日本の「栄養機能食品」制度に近い。届出をすることでビタミン、ミネラルなど決められた成分について、決められた24のヘルスクレームの中から特定のものを表示することができる。ヘルスクレームは「免疫システムの改善をサポートする」「抗酸化」「体の抗疲緩和」など。

 

 輸出入コンサルCIRSの調査によると、中国の2020年の「保健食品」登録は715件で、うち60%の369件が「免疫」を表示するものだった。2つのヘルスクレームを表示する製品は43件あり、「免疫」と「疲労緩和」を表示する製品が最も多く、41.9%を占めた。登録されるまでの期間は5年から最長で13年という。カプセル、タブレットなど医薬品に似た剤型の健康食品は、一般貿易で輸出の際に税関で拒絶されることが多いため、保健食品許認可の必要性は高くなる。

 

 SAMRは今年3月1 日、魚油、コエンザイムQ10、メラトニン、スピルリナ、霊芝の5つの原料を保健食品「登録制度」の「保健食品原料目録」に追加した。コエンザイムQ10は「免疫力の強化」「抗酸化」を表示できる。霊芝、スピルリナはともに「免疫力の強化」、メラトニンは「睡眠の改善」、魚油は「血中脂質を下げるのに役立つ」と表示できる。国内企業による制度の活用が期待される中、ファンケルは昨年11月、SAMRから保健食品としてビタミンC・Eなど5品目の許認可を取得。12月より中国内での販売を始めた。現在10品目の手続きを進めているという。つづく

 

 

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