【2021年上半期総括と下半期展望】 21年上半期、ネット通販の躍進続く

 2021年上半期の支出動向を総務省「家計調査」から見る。現在公表されているのは2人以上世帯を対象とした5月分までである。まず消費支出全体は1〜2月と伸び悩み、3〜5月は前年同期にコロナで消費が落ち込んだ反動でプラスとなった。4〜5月はともに2ケタ増である。ただ、5月はコロナ前19年5月の支出を下回っている。宿泊料や交通費はいうに及ばず、ファンデーションや口紅などもコロナ前の水準には回復していない。

 

 サプリメント剤型を対象とする「健康保持用摂取品」については一進一退が続く。4〜5月は前年同期のサプリ需要の高まりの反動でマイナスとなったものの、5月の一昨年比は11.6%増であり、サプリニーズは健在だ。サプリ支出の1〜5月累計は1世帯あたり5,661円で、前年同期比1.0%減。昨年6〜8月は2ケタ増で、今後、その反動減がどこまで数字に表れるかが注目される。

 

 健康食品に関連する総務省の統計調査には、「家計調査」のほかに、インターネットショッピングで代表的な22品目の支出動向を調べる「家計消費状況調査」があり、こちらも2人以上世帯を対象とした1〜5月までの結果が示されている。それによると、コロナ以降ニーズが急伸した健食ネット通販の勢いは今年に入っても継続、1〜5月累計は前年同期比23.7%増。昨年4月から14ヵ月連続で前年同月を上回っている。1ヵ月あたりの支出額は、昨年700円台に乗せたのは2回だが、今年は1〜5月すべてが700円台。健康食品の販売チャネルは依然ネット通販が強いことが鮮明に表れている。背景には、コロナ前まで4割ほどだったネット通販利用率が5割まで上昇したことがある。日本通信販売協会によると、通販はネットにとどまらず、カタログやテレビショッピングも好調。高麗人参やプロポリスなどが好調という。ただ、コロナによる需要増が落ち着いてきているという声もある。つづく

 

 

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