【インタビュー】 (一社)日本スポーツ栄養協会 鈴木志保子理事長

 (一社)日本スポーツ栄養協会は、スポーツ栄養の普及推進とその活用領域を広げ、公認スポーツ栄養士と管理栄養士の活躍の場を作ることを目的として2018年に設立した。アスリート、スポーツ愛好家から、健康のために運動に取り組む幅広い世代に対し、スポーツ栄養の知識や重要性を発信している。同協会・鈴木理事長に話を聞いた。

 

―― サプリメントの役割、活用法について

 

 サプリメントは、炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルといった栄養素を食事だけでは必要量を摂取できない時、足りない分を補う目的で活用します。アスリートは、食べることだけでは自分の身体活動を支えきれない場合にサプリメントを活用します。また、パフォーマンスの向上を目的に栄養素以外の成分をサプリメントとして摂取することを「エルゴジェニックエイド」といいます。最近では、アスリートに限らず“より健康になるため”を目的に摂取することもあります。

 

 利用する場合は、その成分の作用が科学的な根拠に基づいているか、そして自分にとって必要なものか、しっかりと確認・判断して欲しいと思います。例えばプロテインでは、食事がしっかり摂れていない人には効果的。肉や魚、卵、豆類、乳製品の代替になります。ただ、主食(穀類)を抜かないこと。プロテインだけでは、糖質の摂取量が足りなくなり、脂肪を燃焼したくても燃焼できなくなってしまいます。

 

 このほか、β−アラニン、クレアチンなどの非必須アミノ酸は、エビデンスの進展により、様々な健康機能が明らかとなっています。エルゴジェニックエイド的にユニークで今後の広がりが楽しみです。いずれにせよ、自身の食事を見直すことが大前提にあって、その中で足りないもの、時間的に難しいものがあれば、サプリメントなどをうまく活用すれば良いと考えます。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1716号(2021.5.19)で
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