【インタビュー】 北海道大学名誉教授・セラミド 研究会会長 五十嵐靖之氏

 長年にわたりセラミドや関連脂質の研究を推進し、2008年には自ら発起人となってセラミド研究会を設立するなど、セラミド食品の発展に尽力されてきた北海道大学名誉教授・セラミド研究会会長の五十嵐靖之氏に聞いた。

 

── セラミド研究の最近の進展について

 

 脂質研究は、このところますます健康や病気に関わる生命科学の一分野として注目を受けていますが、その中でもセラミドの研究にも光が当てられています。最近の質量分析やマスイメージングによるリピドミクスの進展と代謝酵素の研究が急速に進み、糖脂質やセラミドなどの健康や疾患に関わる役割が次々と明らかにされてきました。特に皮膚バリアー機能にかかわるセラミドに特徴的な極長鎖脂肪酸やアシルセラミドの生合成の全体像が主に日本人研究者によって明らかにされたことを筆頭に、セラミド輸送蛋白や細菌やウイルス感染におけるセラミドの役割など日本人による研究が世界をリードしてきました。

 

 さらに最近、植物性グルコシルセラミド投与によるモデル動物や、ごく最近には小規模ヒト介入試験でのアミロイド蛋白増加抑制など認知症予防効果が示されるなど新しい展開も行われてきました。植物グルコシルセラミドの経口投与による腸内吸収のメカニズムやその代謝産物の役割など、応用開発を支える研究も大きな進展を示しています。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1713号(2021.4.7)で
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