【話題追跡】 アフィリエイト規制強化へ

 アフィリエイト広告は、媒体主(アフィリエイター)のブログやWEBサイト上に、広告主の商品やサービスに関するリンクを掲載する広告手法だ。広告主は、ASP(Affiliate ServiceProvider)という仲介業者を介して、媒体主と契約し商品の売上やバナーのクリック数に応じて、報酬を支払う。ASPとの契約料や仲介手数料等を除けば、広告コストが抑えられることから近年、利用が拡大していた。

 

 一方で、「ネットやSNS上の悪質な広告は年々、増加の一途。早急な法整備が求められている」(薬事コンサル)というように、仲介業者を隠れ蓑として誇大広告を行う悪質な事業者も少なくない。国民生活センターによると2020年のネット広告を巡る相談件数は、8万6,000件で過去最多。特にアフィリエイト広告からの定期購入に関するトラブルが多かったという。

 

 これを受けて、消費者庁では昨年12月より広告主やアフィリエイター、ASPなどに対して実態調査を実施。先月3日には、育毛剤『BUBKA ZERO』を販売する㈱T.Sコーポレーションに対して、景品表示法違反の措置命令がなされた。同社は、インターネット上のアフィリエイト広告内に、「医療関係者も勧める“90%がフサフサになった育毛剤”」などと表示。さらに広告内の写真を媒体主に提供し、表示内容は同社が決定していた。

 

 アフィリエイト広告を巡っては、18年にダイエットサプリを販売する㈱ブレインハーツが処分された。この際は、広告そのものではなくリンク先のランディングページが違法と認定されている。昨年3月には、埼玉県が成果報酬型のアフィリエイト広告そのものに対する措置命令を実施。本丸の消費者庁が景表法に基づく措置命令を出したのは、今回が初となる。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1713号(2021.4.7)で
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