【話題追跡】 健康サポート薬局、なぜ広がらない?
健康サポート薬局とは、24時間365日対応のかかりつけ薬剤師・薬局機能に加え、健康食品や食事・栄養摂取、介護関連に至るまで相談できるよう、厚生労働大臣の定める一定基準を満たした薬局。もともと医療機関近隣に乱立し、OTC医薬品や医療・衛生材料を取り扱わない薬局の増加に警鐘を鳴らすべく、2016年4月にスタートしたが、その数は2,247薬局(厚労省・昨年9月30日時点)にとどまっている。内閣府が先月発表した薬局利用に関する初の世論調査では、健康サポート薬局の認知度は1 割にも満たなかった。
件数が伸びない大きな要因は、都市部以外の薬局のほとんどが調剤専門チェーンを除き、個人経営の“一人薬剤師”であるためだ。「24時間365日対応は大手チェーンでもなければ無理な話」「催事や町内会など地域に根差して活動しており、研修に割く時間的余裕がない」など、現場と乖離した制度として疑問視する薬剤師も多い。とはいえ、コロナ禍の調剤ルートでは、「自己免疫を高める相談が多く、健康食品が売れる」といった声も多く、6月に薬剤師・管理栄養士監修『日本調剤の赤汁』を上市した日本調剤のように、生活習慣に着目した健康食品の開発を行うチェーンもあり、健康サポートのニーズは高い。
日本薬剤師会では、健康サポート薬局の普及拡大が進まない要因について、「煩雑な行政手続き」「健康食品の項目を含むハードな研修」「店頭の健康イベント開催にマンパワーが必要」などに言及。「自治体や栄養士会などと連携し、メリットある仕組みを構築する必要がある」としている。つづく
詳しくは健康産業新聞1712号(2021.3.17)で
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