「泡盛蒸留粕、健康機能とエコフィードに期待」(琉球大学農学部・平良教授)

 (公財)沖縄科学技術振興センター(沖縄県うるま市)は2月1日、沖縄科学技術イノベーションシステム構築事業「沖縄の伝統食と自然に関する研究発表会」を動画配信した。

 

 琉球大学農学部亜熱帯生物資源科学科の平良東紀教授は、泡盛蒸留粕の機能性と有効利用をテーマに講演した。同氏は、泡盛を造る工程で発生する蒸留粕を絞って造られる琉球もろみ酢には、クエン酸やアミノ酸などが豊富に含まれることを紹介した。蒸留粕にプレバイオティクス効果が期待できる食物繊維やオリゴ糖が含まれていることを説明。乳酸菌で再発酵させた琉球もろみ酢を用いたヒト試験(無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験)では、排便日数の増加、皮膚表面水分量の低下抑制が認められたことを報告。地元事業者により商品化された事例などを紹介した。

 

 また、蒸留粕乳酸菌発酵飼料を給餌した豚の試験では、肉質の向上や腸内細菌叢の改善などを確認。蒸留粕は廃棄されることも多く、同氏は、「飼育コストの低減もでき、エコフィード(環境に優しい飼料)としても期待できる」と述べた。つづく

 

 

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