東大、都健康長寿医療センター 認知機能低下患者の顔をAIで識別

 東京大学医学部附属病院の秋下雅弘氏、亀山祐美氏ら研究グループは、東京都健康長寿医療センターの亀山征史氏らとの共同研究により、認知機能低下患者の顔を識別可能なAIモデルの開発に成功した。

 

 研究者らは、東京大学高齢社会総合研究機構が実施している大規模高齢者コホート調査の参加者ほかから同意を得た人の顔写真を使い、認知機能低下を示す群(121人)と正常群(117人)について、AIによる見分けができるか試験した。その結果、最もよい成績を示したAIモデルは、正答率92.56%と高い識別能力を示したという。

 

 認知症の診断のための検査はこれまで費用や体への負担が制約となっており、脳への原因物質の蓄積を検査するアミロイドPETは費用が高額となり、脳脊髄液の採取は体を傷つけることが課題だった。研究グループは、「顔による認知症の早期発見は、非侵襲的で時間もかからない安価なスクリーニングとして期待される。すぐに応用ができるわけではないが、実用化を目指して研究を深めていく」としている。

 

 

詳しくは健康産業新聞1709号(2021.2.3)で
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