【話題追跡】 「固形シャンプー」の開発競争激化、SDGsで注目度上昇!?
髪を洗う石鹸「固形シャンプー」がブームの予感!? ――。石鹸で髪を洗うこと自体、液体シャンプーが開発される以前は珍しいことではなかったが、「令和の時代になぜ」との疑問が残る。昨年の春過ぎ頃から急に、取材先や企画会社、化粧品通販会社から、「固形シャンプーを製造できる工場を紹介して欲しい」との問合せを度々頂くようになった。確かに近年はヘアケア商品が総じて人気で、ヘアケア製品の受託工場の紹介依頼などはいくつかあったが、「今さらなぜ固形」との疑問が残っていた。
そうした中、昨年9月に創業100年を超える老舗石鹸メーカーが、国内初の固形シャンプー&コンディショナーを開発したとの記者発表会を開催。さらに本紙編集部が昨年11~12月に実施した化粧品受託企業の大規模調査でも、ランキング外ではあったが、人気受注アイテムの中に複数の企業から固形シャンプー&コンディショナーとの回答が見られた。
「液体シャンプーを超えるテクスチャーを持つ固形シャンプーが遂に完成した」――。12月に取材した化粧石鹸の開発に定評がある受託メーカーの代表は興奮気味に話した。今年の主力アイテムに位置付けOEMを提案をしていくという。大阪の透明石鹸受託で有力企業の担当者も「引き合いが増えており、現在テクスチャーなど諸々開発中」といい、業界で開発競争
が激化しているのは間違いなさそうだ。
これら沸々と盛り上がりつつある固形シャンプーの火付け役が、NZのメーカーが製造販売するシャンプー&コンディショ
ナーバー「ethique(エティーク)」ブランドだ。2019年2月の日本上陸以降、女性誌やメディア、さらにはセレブが発信するSNSなどで続々紹介され、一気に話題を集めた。公式WEBサイトを見ると、デザイン性に優れたパッケージ、カラーバリエーションに富むシャンプー&コンディショナーバーは、従来の石鹸の概念を覆すような“映える”アイテムが並ぶ。
派手なイメージの一方、「エティーク」ブランドが強く訴えるのがサスティナブルだ。シャンプーバー1個で液体シャンプー(350mL)3本分、コンディショナーバー1個で液体コンディショナー(同)約5本分のプラボトルが削減できるという。またパッケージは全て生分解性など、環境配慮に対するこだわりは徹底している。輸入元の㈱ピー・エス・インターナショナルの担当者によると、「購買のコア層は30~40代の女性で、ヨガやヴィーガン、オーガニックなどの実践者」という。
近年、サスティナブルな社会構築に向けて、企業にもSDGsが求められており、ESG投資に取り組む企業も増加。レジ袋有料化など国民に協力を求める取り組みも一部で始まる中、国民のサスティナブル意識も高まりつつある。こうした環境下で化粧品業界に投げかけられた提案の1つが「エティーク」とも取れる。固形シャンプーの今年の動向が注目される。つづく
詳しくは健康産業新聞1707号(2021.1.6)で
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