【話題追跡】 植物性タンパク製品、国内でもブームの兆し

 innova market Insight社は、2019年に約90ヵ国で上市されたスポーツサプリを調査。植物性タンパクを配合した新商品は、2017年と比較して約40%増加、特にエンドウ豆タンパクは、約2倍に拡大した。宗教上の理由で菜食主義者が多いインドやイスラエル等を除くと、北米、ヨーロッパでの製品数が急増している。Kenneth Research社は、世界全体の植物性タンパク市場規模を約107億ドルと推計。同社はアレルゲンフリー製品を求める消費者は今後も増え続けるとし、食品メーカーは持続可能な開発目標(SDGs)に則った製品開発を進めると分析。植物性プロテイン市場は、2025年までに152億ドルまで拡大すると予想する。

 

 一方で、日本のプロテイン市場ではホエイやガゼインなどの乳由来タンパクが主流。ただ近年の国内プロテイン市場では、スポーツ愛好家やアクティブシニア、女性向けの商品開発が活発化。脂質が少なく、食物繊維が豊富な植物性タンパクが利用されるケースも多い。また週に数回だけベジタリアン食を摂るフレキシタリアンや、「ゆるベジ」と称される菜食を食生活に取り入れる人が増えている。non-GMOやアレルゲンフリーへの意識や、アフターコロナのインバウンド需要回復を見据えて、植物性タンパクを用いた新商品開発を進める大手メーカーもあるようだ。

 

 実際に食品開発展では、約15社が大豆、エンドウ豆、ソラ豆、ライス、ヘンプ、アーモンド、パンプキンシード等を用いたプロテインを出品。ホエイと遜色ない体内への吸収効率、耐酸性、溶解性の高さを示すデータや、繊維感の強さ、食感、味、匂いを改良した新商品が紹介された。「高たんぱく食品開発サポート」と題した出展社プレゼンテーションは、全プレゼン中最多となる累計440人が聴講。国内食品メーカーの植物性タンパクへの関心の高さがうかがえた。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1705号(2020.12.2)で
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