別冊特別企画『九州~健康産業~』③  (一社)ジャパン・コスメティッ クセンターの取り組み

◆ビューティ商材、唐津から世界に 8つの離島、有機JASでハーブ栽培へ

 

 一般社団法人 ジャパン・コスメティックセンター(佐賀県唐津市)は、唐津市・玄海地域を中心とした佐賀県及び北部九州に国際的コスメティッククラスターを実現するため、関連企業、生産者、大学等の研究機関、行政及び経済団体等で構成する。会員数は168社(正会員152社、支援会員26団体 令和2年10月末時点)で、化粧品・美容関連が半数近くを占める。

 

 主な活動内容は、①国際取引の拡大、②地域資源を活用した素材開発の推進、産業創出、販路拡大など。①では、化粧品の検査分析・輸出代機能を備える地場企業とフランス企業とのビジネス交流を契機に実現した唐津市とフランス・コスメティックバレーとの協力連携協定を背景に、欧州企業との製品・サービス・原料素材など取引拡大を進めている。これまでにフランス、イタリア、スペインのほか、台湾、タイの化粧品産業団体と協力連携協定を締結している。②の地域資源の活用では、佐賀大学などと連携を図り、地産素材から100品目以上の化粧品原料サンプルを製造し、各素材の機能性評価を実施。オレイン酸を85%含む「椿油」、美肌や保湿効果が期待できる「トウキ」など数十品目の機能性評価を終えている。
 

 今年に入り、「SAGAN BEAUTY &HEALTHCARE OPEN ACCELERATOR2020」事業もスタート。佐賀県に拠点を置く企業4社と共同でオープンイノベーションによる新ビジネス創出を図る。また、今夏には同センターの活動の一環で生まれた事業から派生して、NPO法人リトコスが設立された。佐賀県の8つの離島(加唐島、加部島、小川島、松島、高島、神集島、馬渡島、向島)に自生する椿などの植物や耕作放棄地に活用して栽培されたハーブなどを生産したものを原料化する「オーガニックアイランド」計画に着手。唐津の離島のひとつである高島では島全体で有機JASの申請を終え、椿、ローゼル、ホーリーバジルなどを栽培している。椿では、大手アパレルブランドなどが商品化しているほか、オーガニックナチュラル化粧品メーカーにも採用が決まったという。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1704B号 別冊特別企画『九州~健康産業~』(2020.11.18)で
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