【話題追跡】 「免疫機能の維持」10品登場、機能性表示は第2ステージへ

 機能性表示食品制度の歴史に新たな1ページが刻まれた。キリングループが届け出たプラズマ乳酸菌を含む商品5アイテムが8月、「免疫機能の維持に役立つ」表示で受理された。2015年の制度開始以来、免疫での受理は業界の悲願といっても過言ではなく、機能性表示食品制度はセカンドステージに突入した。

 

 この受理から間髪入れずに、新たに2社の届出受理の発表があった。キリングループのファンケルと小岩井乳業だ。ファンケルはプラズマ乳酸菌を配合したサプリメント『免疫サポート』2種、小岩井乳業からは『小岩井iMUSEドリンクヨーグト』など2種が受理され、「免疫機能の維持」を表示する新商品は累計4社10品に。グループ企業のそれぞれの強みを活かした商品展開で、「免疫」表示の市場形成に向け下地が整いつつある。

 

 一方でキリンでは、BtoB事業にも本腰を入れる。同ホールディングス執行役員でヘルスサイエンス事業部長の佐野環氏は「キリングループでの拡大はもちろん、パートナー企業との連携や、海外事業の注力などBtoB事業にも本腰を入れる」と説明。同事業部主幹の藤原大介氏も「免疫システムは、人種・性別問わず共通。海外での展開も期待できる」と話す。すでに米国ではプラズマ乳酸菌を配合したサプリメントの販売がスタートしており、「ウェビナーによる商品発表を行ったが、想像以上の反響だった」という。こうした実績をベースに「国内でも外食、中食問わず、幅広い食品への応用を目指していく」としており、当面はプラズマ乳酸菌が市場を席巻しそうだ。

 

 こうなると気になるのが、プラズマ乳酸菌に続く第2の免疫対応素材。今回の受理実現の理由は“ガイドラインに準拠した届出資料であった”とされているが、免疫表示について消費者庁では、「他の事業者が同様に同じような知見が蓄積されるかどうか。どの程度の知見があるのかという点によりけり」とコメントする。免疫で初の届出受理は健康産業界に大きなインパクトを与えたが、本当の意味での市場形成はプラズマ乳酸菌に次ぐ第2弾、第3弾の成分の登場であり、チャレンジ企業の動向に注目が集まる。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1702号(2020.10.21)で
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