【インタビュー】 立命館大学 生命科学部生命医科学科教授 西澤 幹雄 氏

 メタボリックシンドロームや心不全、アルツハイマーやがんなどの患者の血液中にはTNF-αなどの炎症性サイトカインが増加しており、慢性的な炎症状態にあることが分っています。つまり慢性炎症は、あらゆる疾患の発症や進行、重症化に密接に関わる重要なテーマといえます。

 

 しかし、炎症が問題とはいえ、炎症自体を完全に無くしてしまえばよいのかというと、実はそうではありません。皮膚や腸には多くの細菌やウイルスが常在しているため、無菌状態にして炎症を無くすことはできません。むしろ、弱い炎症反応は免疫力を高めている可能性もあります。

 

 問題となるのは、高いレベルでくすぶる慢性炎症で、抗炎症作用を有する漢方薬や生薬などは、疾患の予防に役立つのではないかといわれています。同様に、抗炎症作用を有する機能性食品素材は慢性炎症を抑えることで、疾患の予防に役立つのではと期待されています。つづく

 

詳しくは健康産業新聞1699号(2020.9.2)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら