特別企画【ロコモティブシンドローム対策素材】 機能性表示、250品目を突破

 運動器の健康・日本協会は7月、20代以上の男女1万人を対象に実施したロコモティブシンドロームに関する調査を発表した。ロコモの「言葉は聞いたことがある」「言葉の意味も知っている」を合わせた認知は43.8%で前年調査から1.0%減少したが、「言葉の意味も知っている」割合は1.0%増え19.7%だった。性別年齢別でみると、男性70代以上、女性60代以上の認知は5割以上で、女性70代は69.0%に及んだ。高齢者女性を中心にロコモ認知が進む背景には、ロコモが様々な疾患やメタボをはじめとした生活習慣病に深く関係していることが挙げられる。

 また、高齢者栄養の観点からロコモ、サルコペニア(加齢性筋肉減少症)、フレイル(虚弱)などに関する研究により、予防食品と定期的な運動と組みわせることでより包括的な健康対策となることが数々の研究成果から明らかになっている。今年6月に国立長寿医療研究センターが発刊した「健康長寿教室テキスト第2版」では、ロコモ、フレイル、サルコペニアに関する基本的概念に加え、運動、フレイルを予防するための食事レシピ等を紹介。フレイル予防に大切な栄養素としてビタミン、カルシウム、分岐鎖アミノ酸、HMBなどを紹介している。

機能性表示、1年で1.4倍にトリプル表示も登場

 ロコモ対策の機能性表示食品も年々増え、「関節」「骨」「筋力」「歩行能力の維持」関連の受理件数は250品目を突破した。主な関与成分は、グルコサミン塩酸塩、N-アセチルグルコサミン、非変性II型コラーゲン、コラーゲンペプチド、サケ鼻軟骨由来プロテオグリカン、鶏冠由来ヒアルロン酸Na、ロイシン40%配合必須アミノ酸、HMB、大豆イソフラボン、β-クリプトキサンチン、ブラックジンジャー由来5,7-ジメトキシフラボンクリルオイル由来EPA・DHA、カツオ由来エラスチンペプチド――など。

 この1年では、クレアチンモノハイドレート(筋肉・筋力の維持)、マルトビオン酸Ca(骨密度)などの関与成分を用いた機能性表示食品が登場している。また「関節+骨」「関節+肌」「筋力+関節」「歩行能力+肥満」など複数表示の機能性表示食品も目立つ。つづく