【健康機器・化粧品】 新型コロナ禍、市場激変!
【健康機器】 前半は運動系、後半は不眠・ストレスケア商材躍進
2020年上半期(1~6月)の健康機器分野では、新型コロナウイルスの拡大に伴い在宅勤務が増加したことを受け、自宅でできる運動機器・器具をはじめ、不眠やストレスケア、肩コリ解消に有効な商材の好調が目立った。なかでも長い自粛生活の中、多くの人がストレスやコロナ疲れを抱えたもようで、フジ医療器のシートマッサージャーは5月の売上が2月の発売時の5倍に伸長、HLコーポレーションのリカバリーウェアは5月の売上が前年比11倍、ホーマーイオン研究所のパルスイッチも前年比倍増――など、多くのメーカーから明るい声が聞かれた。また中国で新型コロナ肺炎の予防や治療に水素ガス吸入器が用いられ、一定の効果を上げたとのニュースがSNSやYouTubeでアップされたこともあり、水素吸入器も好調に推移した。
新型コロナの影響は、緊急事態宣言解除後も予断を許さない状況が続いており、大手企業を中心に在宅勤務の継続も発表されている中、今年下半期も不眠・ストレスケア関連商材の動向に注目される。
【化粧品】 ライフスタイル変化で、新たなアイテム登場の予感
2019年に国内販売金額が過去最高の約1兆7,611億円(前年比104%)に到達した化粧品市場。2020年上半期は降って沸いた新型コロナの影響で、成長にブレーキが掛かった。本紙編集部が5~6月に化粧品受託製造企業150社を対象に実施した調査(有効回答76社)の結果でも、今年上期(1~5月)の業績が前年比を上回った企業は45%で、昨年調査より22ポイント減少、一方で前年比の業績を下回った企業は同38ポイント増の45%。経営状況についても「良かった」との回答は20%に留まり、昨年調査より31ポイント減、「悪かった」との回答が同17ポイント増の30%となった。今年上期に新型コロナによる「悪影響があった」との回答も63%に上った。
なかでも新型コロナ対策としてマスク利用者や在宅勤務の増加を受け、メイクアップ化粧品が大きな打撃を受けた。スキンケア化粧品でも、営業を自粛した百貨店やエステサロン、路面店など店舗販売ルートは影響を受けたほか、免税店などインバウンド需要もほぼゼロに。一方で、通販ルートや越境ECルートは堅調を維持した。
また新型コロナ禍での消費者のライフスタイルの変化を受け、人気受注アイテムにも変化が見られる。なかでも新型コロナ禍、外出先からの帰宅後に手洗いや洗顔、入浴による洗髪、洗体などのニーズが高まり、洗浄系アイテムや石鹸類、入浴剤等が伸長した。下期の人気アイテム予想では、除菌剤の過度使用もあり、ハンドクリームが上位にランクイン。受託企業からは、「爪のケアに特化したアイテムのニーズが高まっている」「マスクに色が付着しないファンデーションや口紅などの相談が増えている」などのコメントも聞かれるなど、今後は消費者のライフスタイルの変化に伴うニーズ捉えた化粧品のヒットや、新たな化粧品アイテムの創出も予感させた。つづく
詳しくは健康産業新聞1696号「夏季特別号」(2020.7.15)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら