【2020年上半期総括と下半期展望】 「免疫」ニーズ増 通販チャネル活況

 本紙が上半期動向についてチャネルごとに取材を行ったところ、薬系チャネルは食品や除菌関連製品に特需が発生した一方、都市部ではインバウンドの激減という大打撃があった。サプリは免疫への関心の高まりで、ビタミンを中心に、乳酸菌やプロポリスなどが伸長。さらに、コロナ太り対策でダイエット関連の需要が伸びた。食系チャネルでは、巣ごもり需要や備蓄ニーズが追い風となり、保存のきく加工食品のほか、健康イメージのある発酵食品などが好調に推移。外出自粛で、宅配サービスの利用も加速した。

 

 そして最も恩恵を受けたのが通販チャネルだ。国が示した新しい生活様式では「通販も利用」が盛り込まれた。それでなくても人々はステイホームを強いられ、通販の需要が拡大。売れ筋はやはり免疫系で、乳酸菌やプロポリス、マルチビタミンなどが売れた。一方、外出自粛で美容系サプリは苦戦した。訪問販売チャネルは外出自粛が影響。会員の減少という声も聞かれ、厳しい状況にある中で、オンラインを利用した取り組みに活路を見出す企業もある。

 

 川上の状況はどうだったか。本紙が5~6月に実施した健康食品受託製造企業を対象とした調査(回答86社)では、今年上半期の経営状況が「良かった」と回答したのは31%で、前年から12ポイントダウン。「悪かった」は22%で前年から13ポイント増えた。「悪かった」の割合は、リーマンショック後の09年上半期の21%を若干上回った。健康志向の恩恵を受けた健康食品産業ではあったが、コロナによる影響の大きさを裏付ける結果になった。化粧品受託製造企業対象の調査(回答76社)では、上半期の経営状況が「悪かった」は30%で、前年調査から17ポイント増加。健康食品受託製造よりダメージが大きい様子がうかがえた。健康食品の場合、外出自粛がプラスに働いた面もあったが、化粧品はメイクアップ系が打撃を受けた。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1696号「夏季特別号」(2020.7.15)で
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