【調査データ解説①】 新型コロナの影響

 新型コロナウイルスの感染拡大は、健康食品市場にも様々な形で影響を及ぼしている。今回の調査で、「新型コロナウイルスの影響」について聞いた結果、「悪影響があった」との回答は55%と半数を超えた。製造現場では、マスクなどをはじめとした衛生用品の不足のほか、「取引国によっては製品や原料の輸出入が滞ることがあった」「海外産原料の仕入れの停滞、製造の延期」「容器の入手困難な状態になった」など、海外産をはじめとした原料や容器の入荷遅延などを挙げる回答が多く挙がった。また、「ラベル貼り、化粧箱づくりなど委託先の事業者が3密環境により、出来高が悪くなった」「設置予定の機械の納期が延期した」といった回答もみられた。

 販売面では、「受注ペースが鈍化し、製造稼働率の低下や売上減に」「インバウンド向け商品の受注が激減」「(飲料の)受注にキャンセルが多く出た」「中国向けの新規企画がストップした」「免税店向け商品の注文が3月から止まった」「エステ、スポーツジム向けの商品が激減」「宣伝講習販売向け商品の動きが悪い」「外食、宿泊関連の取引も多いので被害が大きい」「発生前と発生後で商品の売れ筋が変化した」など、様々な回答がみられた。

 営業活動においても、「出張の自粛により商談機会が減った」「面談ができず、クライアントとのコミュニケーションに難があった」「イベント、展示会の中止」など、実質的な営業活動の制約に伴う、新規案件、販促案件の減少、商品開発の停滞を挙げるコメントが目立った。

 一方、「好影響があった」のは20%。特に多かったのは、コロナ禍で免疫を高めることへの関心が高まり、免疫サポート商品の受注が増えたといった回答。「国外向けの生産量が増えた」「プロポリスの受注が飛躍的に伸びた」といった声も。また、「通販の顧客から注文が増加」「通販チャネル商材は伸びた」など、通販メーカーからの受注増を挙げる回答も多かった。「悪影響も、好影響もあった」という回答も少なくなく、「プラスもマイナス要因も精査が必要で、今後も継続して注視していく必要がある」といったコメントもみられた。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞1694号(2020.6.17)で
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