国立がん研究センター、睡眠時間が長い場合に死亡リスク増加

 国立がん研究センターは、1990年と1993年に全国の11保健所管内在住の40~69歳の男女約10万人を対象に2014年まで追跡した調査結果にもとづいて睡眠時間と死亡リスクとの関連を調べた結果を専門誌『Journal of Epidemiology』(2020年2月)で発表した。

 睡眠時間は長くても短くても死亡リスクと関連することが男女ともに知られているが、高齢者では睡眠時間が短くなる傾向があることから、年齢別に検討した。

 アンケートの結果をもとに日頃の睡眠時間を5時間以下、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間以上のグループに分け、その後、平均約20年の追跡中に1万8,042人の死亡が確認された。死亡に関連する年齢、地域、喫煙、飲酒、運動頻度、高血圧、ストレス、肥満度といった影響を統計学的に調整し、睡眠時間と死亡リスクとの関連について検討した。

 平均睡眠時間は男性7.4時間、女性7.1時間だったが、睡眠時間が7時間のグループに比べて、10時間以上では、死亡全体のリスクが男性で1.8倍、女性で1.7倍高くなった。循環器疾患死亡については、男性で7時間のグループと比べて、9時間以上でリスクが高い関連が示されたが、睡眠時間とがん死亡リスクとの関連はみられなかった。

 また、死亡原因になるような病気になったことにより、睡眠時間が変化することによる影響を防ぐために、調査開始後5年以内の死亡を除外した解析も行ったが結果は変わらなかった。このことから、日本人では睡眠時間が7時間のグループと比較して睡眠時間が長い場合に死亡リスクが増加することが示された。つづく

 


詳しくは健康産業新聞第1692号(2020.5.20)で
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