話題追跡】 食薬区分改正でチャンス到来! NMN、テフ サプライヤーの提案活発に

 厚生労働省は3月31日、食薬区分の改正について発表。NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)、テフが新たに「非医薬品リスト」に追加された。NMNとは、母乳、枝豆、ブロッコリー、アボカド、トマト等に含まれ、体内ではビタミンB3(ニコチンアミド)を材料として生成される成分。長寿遺伝子群を活性化することから、2015年頃から欧米セレブの間で「若返りのビタミン」として注目されている。

 中国では、越境ECを通じて市場が拡大しており、香港最大の長江実業グループ創設者・李嘉誠氏など大物実業家によるNMN関連企業への投資も進んでいるようだ。国内では超セレブリティ商品として、主にクローズドマーケットで流通が見られる。昨年、帝人の関連企業が上市したNMNサプリは、15万円(1ヵ月分)という価格設定が話題となった。

 サプライヤーによると、昨年の原料相場はキロ当たり100万円以上と高額だったが、現在は50~60万円台。一部では、純度の低い格安品の流通も始まっているといい、中国製NMNの中には厚労省の定める食品規格に該当しないものもあるもようで、「原料の品質や安全性には不安が残る」という声も。こうした中、サプライヤーの間では、中国産以外のNMNを確保する動きも始まっている。

 一方、エチオピア原産のイネ科に属するテフは、世界最小の穀物といわれ、食物繊維やカルシウム、鉄、亜鉛、ビタミン類、タンパク質などを含む。米国では、フォニョ、ソルガムきびなど共にスーパー雑穀類として利用が拡大。米国のホールフーズマッケートが2020年のトレンド食品の上位に挙げている。

 国内の認知度はまだ高くないが、“若返りドクター”として有名な南雲吉則氏がテフを愛用しており、料理レシピをSNSなどで紹介。大手通販メーカーからテフを配合したダイエットサポートバーなども登場している。サプライヤーからは、「説明がしやすくなる」「メディアから取材、問合せが複数ある」「スポーツ分野での採用が増えており、一般ユーザーへ広めていきたい」など市場拡大に期待を寄せる声が多く聞かれた。つづく

 

 


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