日健栄協・JARO、「事後チェック指針」「公正競争規約」でセミナー

 (公財)日本健康・栄養食品協会と(公社)日本広告審査機構(JARO)は2月19日、都内でセミナー「健康食品と通信販売の広告・表示の留意点」を開催、約240人が参加した。

 消費者庁表示対策課の田中誠氏が「機能性表示食品の届出に関する事後チェック指針案について」と題し講演。指針案は現在パブリックコメントを集約し回答を作成中であるとし、概ね原案が維持されそうであるとした。3月中に公表し4月1日の運用開始を目指す。事後チェックに盛り込まれた「機能性表示食品の科学的根拠に関する事項」の内容は、基本的に届出ガイドラインに沿っているが、理解不十分で届出された事例や注意すべき点について盛り込まれたことを解説。特に気を付けたい例として「年配の方の記憶力の維持に対して、若い人にも機能性があるように扱うことは問題となる」とした。

 広告表示については、景品表示法上問題となる恐れのある表示について、届出された機能性の範囲を逸脱した表示や、表示の裏付けとなる科学的根拠が合理性を欠いている場合などが盛り込まれたことを説明した。景品表示法および健康増進法の違反要件となっている「著しく優良であると示す表示」「著しく事実に相違する表示」については、予見性を高めるために事例を示してほしいという要望があり、事後チェック指針案に盛り込まれたとした。「著しく」とは、当該表示の誇張の程度が、社会一般に許容される程度を超えて、一般消費者による商品選択に影響を与える場合である、とした上で、事後チェック指針案に「景品表示法上問題となるおそれのある広告その他の表示の要素」7項目が盛り込まれていることを説明した。

 続いて日本健康・栄養食品協会より、特定保健用食品の公正競争規約策定について解説。日健栄協は2007年に「『特定保健用食品』適正広告自主基準」を作成し、事業者の適切な広告作成を支援してきたが、法的な位置づけになっておらず運用には限界があったことに言及。今回、公正競争規約を消費者庁と公正取引委員会の認定を受けて設定する業界のルールとして策定することを説明した。 

 策定に向けての流れとしては、消費者庁への事前相談を行った上、規約案の作成が行われ、トクホ協議会設立準備委員会を設立。業界団体、学識経験者が参加する表示連絡会を開催し意見交換を行った上、消費者庁に規約の認定申請を行い、消費者庁によるパブリックコメントの実施を経て規約認定となることを解説した。現在は規約の認定申請の前段階であるとし、2020年度の運用を目指すとした。規約には「容器包装の表示について」「広告の表示について」「公正取引協議会について」等が盛り込まれる予定。つづく

 

 

詳しくは健康産業新聞第1687号(2020.3.4)で
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