東北大学、ワサビ由来成分にアルツハイマー病改善作用

 東北大学の宇留野晃准教授(東北メディカル・メガバンク機構)らの研究チームは1月21日、ワサビ由来成分によって転写因子「Nrf2」が活性化、アルツハイマー病モデルマウスの病態が改善することを確認した。岐阜薬科大学助教の松丸大輔氏、東北メディカル・メガバンク機構・機構長の山本雅之氏、加齢医学研究所・所長の川島隆太氏らと協力して実施。研究成果は、1月13日に米国科学雑誌『Molecular and Cellular Biology』オンライン版でも公開された。

 研究では、酸化ストレスを軽減するための遺伝子の発現を増加させたり、病的な炎症を引き起こす遺伝子の発現を低下させることで、さまざまなストレスから細胞を保護する役割を果たす転写因子Nrf2(ナーフ2)のアルツハイマー病における効果を検討した。Nef2を活性化する解析方法に加え、ワサビに含まれる6-MSITC(6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート)の投与によってNrf2を活性化する解析方法を用いて、Nrf2によるアルツハイマー病モデルマウスの病態改善作用を検討。

 その結果、マウス脳内の酸化ストレスや炎症を抑制して、病態が改善することを確認。6-MSITC投与によるNrf2活性化も病態を改善させることが分かった。東北大学では、「今後、Nrf2を標的おした脳の酸化ストレスや炎症の抑制に基づく、新たな予防・治療法の開発が可能になるものと期待される」としている。

 


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