【調査データ解説①】 2019年下期、健康食品人気受注素材は「乳酸菌」が4冠

 健康食品受託企業に2019年下期の人気受注素材(複数回答)を聞いた結果、回答が寄せられた素材は例年並みの50種類。全体の傾向として、美容、エイジングケア、整腸、スポーツニュートリション分野の素材が上位を占めたほか、滋養強壮、骨関節維持、脳機能改善、免疫賦活、メンタルケアなどバラエティに富んだ結果となった。

 1位は25票を獲得した「乳酸菌」。4年連続でトップを維持した。腸内フローラへの関心は依然として高く、整腸作用のほか、胃の健康や、中性脂肪低減、中年女性のエイジングケアなど様々な機能性研究が進展。機能性表示食品では、肌の保湿、睡眠質の改善など新たなカテゴリーでの受理が進む。

 2位の「コラーゲン」は20票を獲得。一昨年、NHKの番組で特集されたことをきっかけに、国内需要が再燃し、食品用途の利用が急伸。認知度の高さと、価格面の扱いやすさから採用が広がっていたが2019年は、一次原料不足が深刻化。大幅な値上げに踏み切るサプライヤーもあり、魚由来以外に豚や牛皮の利用が広がっている。

 3位には17票を獲得した「プロテイン」、8位には「アミノ酸」がランクイン。ラグビーワールドカップの熱狂は記憶に新しいが、2020年の東京オリンピック、パラリンピックを控える中で、スポーツニュートリション市場は拡大を続ける。プロテイン(パウダー)は、約360億円まで市場が拡大。剤形もサプリメント、ゼリー、バー、ドリンクなど多様化し、従来のホエイやカゼインなど乳由来品のほか、エンドウ豆、大豆、カボチャなど植物由来品が登場。女性やアクティブシニア向けの提案も活発化している。

 5位の「プラセンタ」は、コラーゲンと同様、美容素材として定番に。肌関連のほか、抗炎症、肝機能改善、疲労感軽減、妊活サポート、ヘアケア、更年期対策など広範囲にわたるエビデンスデータの蓄積を進む。

 このほか、機能性表示食品として利用が増える「DHA・EPA」「テアニン」、海外で人気が高まっている「CBD」、筋力サポート素材「HMB」なども複数票を得た。

詳しくは健康産業新聞第1682号(2019.12.18)で
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