特集【エナジー素材】 エナジードリンク市場、シェア争い激化
㈱インテージヘルスケアによれば、若年層におけるエナジードリンクの購買機会が増加。「エナジードリンク市場は2008年の30億円から2017年には394億円に急伸した」という。エナジードリンクはリフレッシュ時や一時的なエネルギー補給に飲まれる傾向があり、抗疲労のニーズが強い栄養ドリンクとは異なるマーケットを形成している。海外製品『レッドブル』のほか、近年では国産ブランドも続々参入、シェア争いが過熱している。
日本コカ・コーラは10月、エナジードリンク『リアルゴールドドラゴンブースト』(250mL)を発売した。薬日本堂の協力の下、カフェイン、アルギニン、ローヤルゼリーなどエナジー成分のほか、東洋素材として高麗人参、紅参、シベリア人参、リュウガン、クコ、霊芝を配合。7月にも新製品『コカ・コーラエナジー』を投入し、発売後5週間で出荷数量2,000万本を記録。アサヒ飲料は4月、エナジードリンク『モンスターパイプラインパンチ』(355mL)を発売。同シリーズ売上については、「2014年6月~2019年2月まで57ヵ月連続で販売数量が前年同月実績を超えている」とし、2018年の年間販売数量は前年比129%増を記録した。ドラッグストア大手のマツモトキヨシホールデングスはPB商品「EXSTRONG」シリーズを展開。5月には塩とクエン酸を配合した『BODY&SALT ENERGY DRINK』を投入するなど、シリーズ化に弾みをつけている。
エナジー系商品の定番素材といえばアルギニンやシトルリン、L-アスパラギン酸ナトリウム、D-リボースなど。タイショーテクノスは、アミノ酸の1つ『D-リボース』を展開。多数のヒト臨床試験を取得していることから、高付加価値素材として提案を強化している。このほか、一般的なアミノ酸と比較して食品の味に影響を与えにくい『L-アスパラギン酸ナトリウ』を供給。エナジードリンクやスポーツドリンク、栄養ドリンクなどで引き合いがみられている。協和発酵バイオは、アルギニンやシトルリン、BCAA、グルタミンなどをラインアップ。シトルリンとアルギニンを組み合わせで日米同時特許を取得しており、この組み合わせにより、血管を拡張する一酸化窒素(NO)の産生を相乗的に高めることを確認。運動パフォーマンス向上を期待できる。中原は、新原料・β-アラニンのサンプルワークを開始。すでに欧米で広く知られたサプリメント成分で、「運動能力向上」や「疲労軽減」が期待されている。
ライフスタイルの多様化や東京五輪を控え高まるスポーツ熱などを背景に、エナジー素材への注目度もアップ。今後の需要増も見据え、各原料メーカーからの提案が活発化している。つづく
詳しくは健康産業新聞第1681号(2019.12.4)で
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