抗酸化・機能研究会に350人

 食品の抗酸化や機能性研究に関する産学官連携の推進を目的に設立された「抗酸化・機能研究会」の第2回研究会が11月5日、都内で開催され、約350人が参加した。テーマは「食と脳のサイエンス」。理事長の大澤俊彦氏(愛知学院大学心身科学部健康栄養学科特任教授)は冒頭挨拶で、機能性表示食品制度でも脳機能関連は多数受理されており、「これからますます増えてくる」との見解を示した。

 福島大学農学群食農学類教授の平修氏は、食品摂取時の脳の働きを解析する「イメージング質量分析」を解説。従来の技術ではマウスの脳をスキャンするのに6時間かけていたものが、5分まで短縮することが可能になったという。同分析では、マウス実験においてコエンザイムQ10やアミノ酸を投与した脳内変化の視覚化に成功。腸内や体内も解析することが可能といい、食品の機能性や効果への検証も期待できると強調した。

 国立精神・神経医療研究センター部長の功刀浩氏は、「緑茶成分テアニンの向精神作用」を研究事例に基づき紹介。2014年に公表された研究では、認知障害のない60歳以上の490人を約5年にわたって調査した結果、緑茶を毎日飲んでいる人は全く飲まない人と比較してうつ症状発症リスクが有意に低下したという。最新研究の二重盲検クロスオーバー比較試験では、抑うつ、不安、睡眠のほか、認知機能(言語流暢性や遂行機能)が改善するという結果がみられたことを発表した。

 

 

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