特集【サラシア属植物】 機能性表示で市場形成本格化

 サラシア属植物は世界で120種類以上が報告されている、ツル性の多年生木本。インドやスリランカなどアジアの熱帯地域に自生し、インドの伝承医学であるアーユルヴェーダでは、5,000年以上も前から肥満や糖尿病治療として使われてきた。国内では、京都薬科大学名誉教授の吉川雅之氏の研究を皮切りに、各メーカーや学術機関が機能性研究を積極的に取り組んできた。

 サラシア属植物に関する主な研究では、「α-グルコシターゼ阻害活性」「抗肥満作用」「肝臓保護作用」「中性脂肪上昇遅延作用」など生活習慣病全般での機能性が確認されているほか、「糖新生阻害作用」「血圧降下(ACE活性阻害)作用」「腸内細菌叢の改善作用」「アレルギー抑制作用」なども明らかにされている。

 2014年には、公益財団法人日本健康・栄養食品協会が発表した「食品の機能性評価事業結果報告」で、サラシア属植物抽出物の『食後の血糖値上昇抑制機能』『空腹時血糖値の維持』が「B」評価を受け、業界が注目。2015年施行の機能性表示食品制度につながっていく。

 機能性表示食品では、サラシア由来サラシノールを機能性関与成分とした森下仁丹の『サラシア』の受理以降、順調にその品目数を伸ばしている。当初はサプリメント形状が先行していたが、直近1年では、「ゼリー飲料」や「お茶」「調味液」といった新たなジャンルの届出受理も見られ、31品目が受理されている(9月25日現在)。

 原料の安定供給やマーケットの健全化を図るサラシア属植物普及協会では、機能性表示食品への届出支援を行っており、法人会員も増加傾向にある。「現在、届出中や届出準備中といった企業も複数社ある」という。サラシア関連企業への取材では、「インターネットやSNS等を通じて若い世代へアピールしていきたい」との声も聞かれ、機能性表示食品をきっかけに新たな商機を探る動きも加速しそうだ。つづく

 

 

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