特集【ショウガ】 「血糖」「目」「肌」で新知見も

 新陳代謝を促進し、身体を温める素材として認知されるショウガ。古くから漢方素材「生姜(ショウキョウ)」として、重要生薬に位置付けられている伝統食材だ。国内では各種メディアでショウガの機能性がフォーカスされるなど、健康食材としての認知が進んでいる。

 テレビ番組では9月、「あさイチ(NHK)」「林修の今でしょ!講座~3時間スペシャル~(テレビ朝日)」で“夏疲れ解消”をテーマに取り上げられた。番組内では、ショウガ研究の第一人者・医学博士の平柳要氏が出演し、ショウガに含まれる成分“ショウガオール”が、血行促進や脂肪燃焼を促すことを説明。「キムチなど唐辛子が入った料理や赤パプリカと一緒に摂取することで相乗効果が期待できる」とし、さらに「ショウガオール摂取後の3時間以内に、ランニングなどの有酸素運動をすることでより効果が期待できる」と紹介した。

 市場では、高まるショウガニーズを背景に多種多様な商品が流通している。ブームの火付け役といえば、永谷園のショウガ配合スープ『冷え知らずさんシリーズ』。冷えに悩むユーザーからの圧倒的支持を集め、10年以上も販売が続くロングヒット商品に。これを契機に“温活”をテーマにした商品開発が各社から相次いだ。ショウガ湯やショウガハチミツといった定番商品のほか、近年では甘酒や青汁、ドリンク、スープ、菓子などのバラエティに富んだ商品が上市されている。ドリンクでは8月、高級スーパーの成城石井が『生姜10倍エクストラスパイシージンジャーエール』を投入。同社が発売する既存品に対し、“10倍量の国産ショウガを使用する”ジンジャーエールとして訴求、新たな需要を掘り起こす。

 ショウガはまた機能性表示食品にも裾野を拡大している。ショウガ初の機能性表示食品は、伊藤園から発売された『国産しょうが』(届出番号:A298)。ショウガ由来ポリフェノールを関与成分に、「寒い季節や冷房条件下において体温(末梢)を維持する機能がある」と表示した。機能性表示食品の登場は、「冷え対策=ショウガ」の説得性をより一層高めることに。その後も、ショウガ由来ポリフェノールを関与成分とする商品化の動きが活発化。体温維持を訴求する「のど飴」や「シロップ」「酢漬」が新たに届出受理されている。つづく

 


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