特集【快眠サポート】 機能性表示は100品強、1年で倍以上に

 業界団体では、2回の「睡眠の日」(春:3月18日/秋:9月3日)を制定しており、今年も秋の睡眠の日に合わせたイベントやセミナーなどが多数行われた。(公財)神経研究所精神科学センターでは、9月7日に都内で市民公開講座を開催。「高齢者をはじめ約300人が参加した。睡眠に対する関心が年々高まっていることがうかがえた」(同センター長・高橋清久氏)と話す。

 睡眠の悩みを抱える人は各世代に広がっている。平成29年国民・健康栄養調査によると、1日の平均睡眠時間が6時間未満の成人の割合は、男性36.1%、女性42.1%。睡眠で休養が十分にとれていない割合は全体で20.2%となり、平成21年の調査以降、有意に増加している。

 近年は、睡眠に対して大きな悩みはない、いわゆる健常者も“よりQOLを高めたい”“美しくなりたい”といった願望から良質な睡眠を求めるようになっている。また最近では、国が働き方改革を推進する中、日中のパフォーマンスを向上させる1つとして睡眠の重要性がクローズアップされている。昼間の短時間睡眠を指す“パワーナップ”に集中力や記憶力を回復させる効果が期待できることから、専用チェアや関連商材が登場しているほか、リラクゼーション店舗によるコレボサービスも始まっている。

 こうした中、快眠健食分野では機能性表示食品が増え、市場の活性化につながっている。TPCマーケティングリサーチの昨年調査によると、睡眠サポート機能性表食品は83.5億円(見込み)になるという。市場では、「夜間の睡眠の質を高める(起床時の疲労感や眠気を軽減)」「眠りの質(眠りの深さ)の向上に役立つ」「休日明けの心の健康の維持、健康に良い睡眠の維持」といった表示内容の機能性表示食品が流通。

 味の素が通販で展開する『グリナ®』は、機能性表示食品へのリニューアル後、売上は約3倍に伸長。利用者は200万人を超え、「働き盛りの30、40代と高齢者に特に支持されている」という。アサヒグループ食品は、『ネナイト』をドラッグストア中心に展開。2018年の年間販売額は前年比1.5倍近くで、今年も好調を維持している。大塚製薬は、『賢者の快眠睡眠リズムサポート』を昨春からドラッグストアなど店販チャネルに拡大。男性の購入者も目立つという。『ネルノダ』(ハウスウェルネスフーズ)などの新製品も登場している。つづく


詳しくは健康産業新聞第1676号(2019.9.18)で
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