特集【毛髪・頭皮ケア】 女性の育毛需要に商機

 厚生労働省の薬事工業生産動態調査によると、2018年度の「育毛液剤」(薬用シャンプー・リンス、育毛剤)の生産金額は、337億2,900万円(前年比125%)と前年を大きく上回っており、スカルプケア市場の急伸が伺える。薄毛は、今や高齢男性だけの悩みではない。男性型脱毛症(AGA)と同様の症状が女性に確認される「FAGA」や、過度なストレスや偏食が原因で起きる「若年性脱毛症」など性別や年齢の区別に関係なく、薄毛に悩みを抱える人は増加している。

 毛髪大手のリーブ21が8月、全国の20~60代の男女2,350人を対象に実施した調査によると、「抜け毛や薄毛、脱毛が進んでいる」と回答した人は全体の44.2%。総人口から推計される薄毛・脱毛進行中の日本人は約4,558万人となり、日本人の約3人に1人が「頭皮に関する悩み」を抱えているという結果に。一昨年の調査からは、200万人以上増加している状況だ。

 育毛、スカルプケア系シャンプーの動きは堅調で、同カテゴリーを得意とする化粧品受託メーカーの中には、今年上半期、売上高が2ケタ成長した例も。「スカルプケア系の人気は安定している」「中国、アジアなど海外企業からの受注が増加している」との声が聞かれる。

 一方で、ヘアケア化粧品の市場は苦戦が見受けられる。経済産業省の生産動態統計によると、2018年の頭髪用化粧品の販売金額は、約3,838億円(前年比95%)となり、3年ぶりに拡大を見せた2018年を下回った。今年上半期(1~6月)についても前年同期を下回っている。一方で、生産量や出荷数量は前年を上回っており、高価格帯化粧品の苦戦、価格競争の激化による商品単価の減少が影響したとみられる。前述のリーブ21の調査では、月にヘアケアにかける金額について75.7%が1,000円以下と回答。低価格化が進んでいることが伺える。

 市場のトレンドとしては、植物由来成分を配合したボタニカル系シャンプーの人気が依然として継続。オリーブ、ヘンプ、ナタネ、ヒマワリ、アルガン、ツバキなどから抽出した植物オイルの処方が増加している。また中高年女性をターゲットにした髪のボリューム感を高めるシャンプー、トリートメント、ヘアエッセンスや手軽に髪のボリュームを出せるウィッグなども人気のようだ。

 新たなトレンドしては、スキンケア分野で注目されている自己修復再生するオートファジー機能を持った素材や幹細胞を活用したヘアケア製品が登場。7月に細胞美容ブランドを立ち上げたステラシード社が、美容感度が高く自ら美容に関する情報発信を行う20~40代の女性109人を対象に行なった調査によると、「細胞美容を取り入れたヘアケア製品」に関心のある人は98%、既に使用している人は34%となった。

 一方で近年は、健康食品やサプリメントを利用して「体の内側から健康な髪や頭皮をつくる」というアプローチも進んでいる。髪の素となるシスチン、グルタミンなどのアミノ酸や、頭皮の血流を促すカプサイシン、高麗人参、AGAの原因となる脱毛酵素「5‐αリダクターゼ」を抑制するノコギリヤシ、大豆イソフラボンなどを配合したサプリメントが上市されているほか、化粧品と同様に「植物由来成分」を活用した原料の提案が進んでいる。つづく

 

詳しくは健康産業新聞第1676号(2019.9.18)で
健康産業新聞の定期購読申込はこちら