アメリカ穀物協会、「米国産ソルガムきび」を視察

 今年で3回目を迎える学術会議「エクスポートソルガム2019」が8月26日、アメリカテキサス洲で開催され、世界8ヵ国から65の企業・団体が集まった。日本からは視察団が参加。会議では、飼料、バイオエタノール燃料原料、食品用ソルガムきびにおける最新研究の解説が有識者により行われ、米国産ソルガムきびの多様な活用事例が紹介された。

 米国ソルガムチェックオフ(USCP)エグゼクティブのロペス氏は、「アメリカにおいてソルガムきびはこれまで主に飼料やエネルギー燃料として栽培されていたが、近年食品グレードの品種改良が進み、古来穀物としての需要が拡大している」と説明。また、ソルガムは多くの水を必要としないため、環境に配慮した持続可能性のある穀物であることや、非遺伝子組換え穀物としての付加価値に加え、「最近では健康機能性を持つ食品素材としても注目されている」と述べた。

 視察団は、ソルガムきびの機能性や育種研究を行うテキサスA&M大学も訪問。アウィカ教授によると、「ソルガムきびに含まれるレジスタントスターチ(難消化性澱粉)は、腸内微生物叢に有効な効果をもたらし、肥満やⅡ型糖尿病などの慢性疾患の発症予防に役立つ」という。また、ソルガムきびは種子の色や品種により、栄養価や機能性が異なることが研究によって明らかとなっていることを報告。「現在確認されている有色種は、赤、黒、黄、茶、白の5種類である」とした上で、「有色種でも注目されるブラックソルガムきびには、抗酸化成分ポリフェノール類のプロシアニジン、アントシアニンが含まれる。一方、タンニンソルガム品種には多くの抗酸化物質が含まれ、ローズマリーに含まれる抗酸化成分と同様に、ソルガムの食品・食肉における酸化防止機能も期待できる」と語った。つづく


詳しくは健康産業新聞第1676号(2019.9.18)で
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