地域のフレイル予防は「食イベント」で

 「五感ケアによる健康長寿への挑戦~『食が創る予防医学』が指し示す未来~」をテーマとする未来健康共生社会研究会第12回公開シンポジウム(主催:(一財)渥美和彦記念財団)が9月17日、都内で開催され、約90人が参加した。

 東京大学高齢社会総合研究機構・特任教授の辻哲夫氏は「超高齢社会の到来とフレイルへの政策的対応のあり方について」と題し特別講演。2012年に柏市内14ヵ所の保健センター等で実施した、2,000人超の大規模高齢者虚弱予防研究を紹介した。「人とのつながり、生活のつながり、誰かとの食事など、社会性が落ちることに虚弱の原因がある」とし、専門職でなくサポーター(ボランティア)の行うフレイルチェックの好例を紹介。

 「フレイル予防に気付いてもらうことが狙い。“気をつけようね”のアドバイスのみなので、参加者自身が学び、お互いに励まし合う場として、栄養、運動、社会参加の三位一体の複合的アプローチで顕著な行動変容につながっている」という。「データを行政に渡すことを条件に、民間企業がフレイルチェックできるスキームを開発中」とした。

 官民地域連携で行うフレイル予防事業では、「“美味しい”“楽しい”を包括した食から入るのが一番分かりやすい」とし、高齢者の社会参加の促進として「食のくっついたイベントをいかに地域に埋め込んでいけるかが大きなポイント」とした。

 

詳しくは健康産業速報第2364号(2019.9.18)で
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