特集【関西受託マップ】 ライフサイエンス関連の 先端技術集積地

 関西地域では、国立大14校、公立大17校、私立大124校中、60校以上でバイオや化粧品、健康食品を含むライフサイエンス関連分野の先端研究を推進。活発な消費動向を支える高い研究ポテンシャルを持つ地域性が特徴の一つだ。

 大阪や兵庫を中心とする国立研究機関や工業技術センター、農業試験場などでは、産官学連携を推進する研究機関も多く、大手製薬企業をはじめ、食品、化学、電器機械、精密機器、繊維などの分野から、資本力・技術力を有する企業が健康食品・化粧品市場に参入する傾向も見られる。

 関西地域で活躍する健康食品受託メーカーでは、サプリメントや健康飲料の一般的な受託製造にとどまらず、オリジナルの製造技術や、機能性を付加した新素材の開発・提案、海外展開の強化などで差別化を図っている。

 兵庫県を代表する健康食品の総合受託製造企業である日本ランチェスター工業は、沖縄産素材を中心とした健食受託製造に強く、素材の栽培から大学との共同研究など産学官連携を通じた最終製品までの一連の流れを構築。オリジナル原料の評価は国内外で高く、オンリーワン素材の輸出に力を入れる。

 生薬の集積地として有名な大阪・道修町にある日本粉末薬品は、生薬製剤のパイオニアとして、医薬品・漢方から一般食品、健康食品に至る様々な受託加工に対応。原料供給事業では、国内加工のオリジナル素材を数十種類ラインアップし、市場ニーズにマッチした新素材開発にも力を入れている。

 東淀川区に本社を置くファインは、機能性表示食品受理数70件超と業界トップ。累計800種超の製品製造実績を有し、自社ブランド商品も数多く展開。中国、シンガポールを含む海外9拠点でグローバル化を推進。新工場「播磨先端製造技術センター」には、自動製造ラインやロボットを導入し、生産能力を高めた。

 京都府宇治市にある日本タブレットは、健康食品受託実績2,000品超を誇る“打錠のプロフェッショナル”。打錠以外の対応に加え、機能性表示食品の製造にも応じるほか、自社原料「黒ショウガ」なども展開。

 奈良県葛城市にある大同薬品工業は、ドリンク剤OEMの国内トップメーカー。化粧品メーカーの海外向け美容ドリンク受注などが好調に推移。群馬県館林市に建設中の大型新工場は、来年の本格稼働を目指す。また、アンチエイジング医学の第一人者である日比野佐和子医師とコンサルティング契約を結び、アンチエイジング、抗疲労などをテーマとしたドリンクの開発にも着手している。

 奈良県御所市にある佐藤物産は、通販や店販、訪販からの依頼増を背景に、原料調達やバルク加工に加え、スティックや三方シールなどの個包装対応も強化している。


詳しくは健康産業新聞第1675号(2019.9.4)で
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