トピックス 「スピルリナプロジェクト」新展開

 アライアンス・フォーラム財団がザンビア共和国で行う「スピルリナプロジェクト」が着々と成果を積み重ねている。スピルリナの現地生産から販売、給食配給、近年では栄養スポーツイベントを通した普及活動にまで活動の幅を広げている。

 アライアンス・フォーラム財団の途上国事業部門(=AFDP)は、「人々が健康で、自分の能力をさらに発展させ、その土地の文化や風土に根付いた平和で豊かな社会を実現すること」を理念に掲げた事業を展開。活動目標は、①長期的には、人口増加が著しい途上国において、教育を受けた質の高い中産階級層を創出すること、②中期的には、東南アフリカ市場共同体(以下、COMESA)加盟国21ヵ国へ事業展開すること、③ 短期的には、COMESA本部のあるザンビア共和国で、貧困の温床と呼ばれる慢性栄養不良を改善し、持続的かつ他の地域へ波及的展開が可能なモデルを形成することの3つを定めている。

 ザンビア共和国におけるスピルリナの輸入及び販売許可を世界で初めて得た同財団は、スピルリナの効果測定・給食配給・生産・販売など地道な活動を展開。この結果、同国におけるスピルリナの認知度は、直近の5年間で急上昇した。昨今では同財団が支援した学校や女性グループの尽力もあり、スピルリナは一部の地方でも入手可能に。首都の大型ショッピングモールやフィットネスジムでも昨年から取り扱いを開始するなど、着々とその成果を積み上げている。

 スピルリナは、デトックス効果はもとより、栄養障害の二重負荷である“不足”と“過多”の両面においても健康増進効果が期待できる。しかし同国におけるスピルリナの摂取目的は、子どもの栄養補給や疾患の治療食、あるいは若者の美容保持等、不足分の補給といった限定的なものだった。こうした背景に着目した同財団は2018年冬、ザンビア共和国のハンドボール・ナショナルチーム代表らと新たな取り組みを開始。栄養スポーツイベントを協同で開催したことを皮切りに、スポーツ業界を巻き込んだ活動を展開しはじめた。

 「2020年東京オリンピックへ出場できる身体作りを!」をスローガンに掲げ、さらなる市場拡大に向けた取り組みを加速させている。また、日本企業とも強固なパートナーシップを構築。ザンビア共和国における毎年恒例の研修プログラムでは、スピルリナプロジェクトについての密接な協議を重ねている。同財団では「世界中の健康増進および栄養不良解決に向けた商品・サービスの共同開発を今後も国内外の企業と進めていきたい」としている。


詳しくは健康産業新聞第1675号(2019.9.4)で
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